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約分したら同じ数になるさまざまな分数があるのは、それぞれに意味がある


約分したら同じ数になるさまざまな分数があるのは、それぞれに意味がある
今回は音楽の拍子の話です。

一番多く見かけるのが4分の4拍子。
行進曲のようにイチ、ニィ、サン、シで1小節になっている拍子ですね。

ワルツなどの4分の3拍子。
4分音符3つ分、イチ、ニィ、サンで1小節を区切ります。
ズンチャッチャッ、ズンチャッチャッ
というイメージですね。

このように、1小節の中に
4分音符4つで4分の4拍子、
4分音符3つで4分の3拍子。

他にもいろいろあります。
8分の6拍子はどうでしょう、
同じように考えると、8分音符6つ分。

6拍子ってすぐにはイメージが浮かばないあも知れませんね。例えばスメタナの「モルダウ」や、「仰げば尊し」などもそうです。
1,2,3,4,5,6とカウントするよりも、
1トット、2トットと言ってみると、大きな2拍子になることがわかります。

そういえば、数学風に考えれば、
6/8(8分の6)は、約分すれば3/4(4分の3)になりますね。
でも、1小節の中の音符の長さは同じでも2拍子と3拍子というまったく違う動きなので、
譜面の上では約分してしまう訳にはいきません。


では2分の2拍子は知ってますか?
もしかしたら音楽の時間に気づいて、約分したら4分の4拍子と変わらないじゃん、なにが違うの?なんて思った人はいませんか?

ちゃんと約分すればどちらも1になっちゃいますが、
それじゃあ意味が伝わりません。。。

4分の4拍子はイチ、ニィ、サン、シ
2分の2拍子はイチ、と、ニィ、と
とカウントします。
なんだ、言い方が違っても同じじゃないか!
いえいえ、違うんです。

4拍子でカウントすると、まさに行進しているように4回足踏みするイメージになりませんか。
それに対して2拍子は、イチ、ニィのところだけ足で蹴って、
まるで池の飛び石をポンポン跳ねて進んでいくような。。。

階段を上るとき
一歩一歩踏みしめて上がるのと、
一段飛ばしでポーンポーンといくのと、
同じ速さの曲でも2分の2拍子の方が軽やかな表情が出ます。

ロックやポップスでも、4ビートと8ビートではノリが変わりますね。
それと同じものです。

数学でいう約分は、総量を明らかにするもの、
約分したら同じ数になるさまざまな分数があるのは、それぞれに意味があるんですね。

食パンなら、
4枚切りを1枚食べるのと、
8枚切りを2枚食べるのでは、
どちらが好きですか?

Hiroshi Kumagai




約分したら同じ数になるさまざまな分数があるのは、それぞれに意味がある
熊谷 担当【小中学生:理系・受験 / 高校生:数学・物理・化学】
得意技:1度に10の解法を脳内で整理しながら一人ひとりの質問に対応する個別指導
好きな食べ物:中華料理
趣味:チェロ
好きな言葉:初心忘るべからず

2021.07.01

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